憲法改正と2020年
安倍総理が目指す憲法改正。3つの点で違和感があります。
1つ目、東京五輪が開催される2020年までの改正・施行を目指す姿勢を示していること。オリンピックはスポーツイベントであって憲法や政治との関係はありません。スポーツイベントでなんとなく盛り上がる世の中の雰囲気を利用しようと考えているのであれば残念な発想です。
2つ目、自民党の憲法改正案と違う主張をしていること。9条の改正に関して自民党がまとめた改正案とは異なる主張を突如として自民党総裁の立場で示したことに違和感を感じます。自民党の改正案を踏まえて、同案をさらに修正する形で改正の方向性を示すのであれば筋が通っていますが、その調整も飛ばしていて唐突感が強いです。
最後に、なぜ憲法改正をするのかという中身が見えてこないこと。当初は96条の改正手続きの変更を主張していたにも関わらず世論の反発が強いとなると、9条改正や教育無償化、地方自治等、違う主張をしてきました。日本の現状と課題、そして将来の方向性をどのように捉えていて、それゆえに憲法改正が必要だということを示さないと国民の理解は深まらず、国民投票で否決されるでしょう。
自分としては、自衛隊の位置づけを9条で明らかにすること、地方分権=道州制の導入を明らかにすること、そして、幼児教育から高等教育までの教育の充実を強調すること等を通じて、日本の将来の方向性を定めるという意味では憲法を改正すべきと考えています。国防における自衛隊の位置づけをしっかり定めることは文民統制及び国防の充実に不可欠であること、中央集権から地方分権を進めるためには道州制が必要であること、人材の充実が日本の強みとなること、といった考え方から憲法改正が必要だと考えます。
期限を区切るのではなく、改正自体を目標にするのではなく、どういう国、どういう社会にしていくのか、この点を熟議して憲法改正を発議すべきという、当たり前の点が今の憲法改正議論で抜けているのではないでしょうか。
by kota714
| 2017-08-20 14:36
| 政治
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