自衛隊による邦人救出
安保法制の国会審議は4月の統一地方選以降に本格化する予定で、現在は与党間協議が進んでいます。その中で特に注目しているのは、自衛隊による邦人救出の是非。政府は、海外の日本大使館が武装勢力等によって占拠されて邦人が人質となった事態に自衛隊を救出に当てることを想定して検討しているようですが、非常に危険な議論で、慎重な検討が必要です。IS(「イスラム国」)による邦人殺害事件後の世論動向を使って政府は検討を一気に前に進めようとしているようですが、危ういと考えています。なぜか。
1.人質事件は、今回のISによる事件以外にも過去にペルー日本大使館人質事件、キルギス邦人誘拐事件等があり、将来も起こりうる可能性は高く、仮に自衛隊による救出を法制化した場合、実際にその発動がなされる可能性は高いということ。
2.自衛隊に海外の土地で邦人を救出する能力が現時点であるのかということ。そして、今後もその能力を構築できるのかということ。
3.最後に、これが最大の懸念ですが、限定的に容認された集団的自衛権の行使以上に、人質救出作戦は自衛隊員の殉職の可能性が高くなるということ。集団的自衛権は、現在想定されているのは米国等の軍の後方支援、補給支援、機雷除去等の行使というものです。一方、人質救出作戦は、自衛隊が前線に立って武装勢力と対峙して作戦を遂行することとなります。結果、犠牲が出る可能性が極めて高いです。
以上のような3点を認識したうえで、この議論がなされ、国民の理解も深まったうえで、それでも自衛隊による邦人救出はすべきだということであればよいですが、現時点ではこの3点への認識・理解が政治家も国民も低いと思われ、一部の官僚主導による議論のように思えてなりません。
非常に危険な議論が大した注目もなく進んでいる現状が心配です。まずは、日本として、国民の生命と財産をどう守るのか、そこにおいて軍事力のあり方はどうあるべきか、この点から国民的議論をすべきで、人質救出という各論だけが進み、気づいたら国民の理解と覚悟がないまま前線の自衛隊の殉職が相次ぐという悲劇がうまれてしまう、そう懸念しています。
1.人質事件は、今回のISによる事件以外にも過去にペルー日本大使館人質事件、キルギス邦人誘拐事件等があり、将来も起こりうる可能性は高く、仮に自衛隊による救出を法制化した場合、実際にその発動がなされる可能性は高いということ。
2.自衛隊に海外の土地で邦人を救出する能力が現時点であるのかということ。そして、今後もその能力を構築できるのかということ。
3.最後に、これが最大の懸念ですが、限定的に容認された集団的自衛権の行使以上に、人質救出作戦は自衛隊員の殉職の可能性が高くなるということ。集団的自衛権は、現在想定されているのは米国等の軍の後方支援、補給支援、機雷除去等の行使というものです。一方、人質救出作戦は、自衛隊が前線に立って武装勢力と対峙して作戦を遂行することとなります。結果、犠牲が出る可能性が極めて高いです。
以上のような3点を認識したうえで、この議論がなされ、国民の理解も深まったうえで、それでも自衛隊による邦人救出はすべきだということであればよいですが、現時点ではこの3点への認識・理解が政治家も国民も低いと思われ、一部の官僚主導による議論のように思えてなりません。
非常に危険な議論が大した注目もなく進んでいる現状が心配です。まずは、日本として、国民の生命と財産をどう守るのか、そこにおいて軍事力のあり方はどうあるべきか、この点から国民的議論をすべきで、人質救出という各論だけが進み、気づいたら国民の理解と覚悟がないまま前線の自衛隊の殉職が相次ぐという悲劇がうまれてしまう、そう懸念しています。
by kota714
| 2015-03-08 22:47
| 政治
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